フォークリフトの油圧装置について~仕組みや構成、長所・短所を知ろう~


工場や倉庫で大活躍する「フォークリフト」は、重たい荷物を運ぶために必要不可欠な荷役自動車です。
フォークリフトの原動力は、油圧装置になっています。
油圧装置の仕組みはいったいどのようになっているのでしょうか。
フォークリフトの油圧装置について知りたい人は、ぜひチェックしてくださいね。
油圧装置の構成や長所・短所、フォークリフト油圧放置の種類について説明します。

目次

  1. 油圧装置の仕組み・構成
  2. 油圧装置の長所・短所
  3. フォークリフト油圧装置の種類
  4. まとめ

1.油圧装置の仕組み・構成

油圧装置の仕組みや構成について説明します。
フォークリフトは、いったいどのような仕組み・構成で動くのでしょうか。
仕事でフォークリフトを使う人はもちろん、気になっている人はぜひチェックしてくださいね。

1-1.油圧系統の仕組み

油圧装置に必要不可欠なのが、「油」です。
フォークを上げるとき、マストの前後運動は、すべて作動油を送り込みながら動いています。フォークリフトにある油を、リフトシンダー・ティルトシリンダーなどに送り込んでいるのです。
ただの作動油ではなく、10~20MPaほど圧力をかけている作動油になります。
油圧系統の種類によって送り込みは異なるでしょう。
油圧系統の仕組みは、一般的に、動かしたいところへ高圧の作動油を油圧ポンプで送り出しています。
各所の動きが操作できるコントロールバルブによって、リフト・ティルトができるのです。
油圧ポンプは、荷役装置の動力源になります。
高圧の作動油を送り出すためには必要不可欠な部分になるでしょう。

1-2.フォークリフトの動きに必要な“作動油”

油圧ポンプで送り出し、フォークリフトを動かす「作動油」は、条件が3つあります。
フォークリフトを動かすための作動油は、3つの条件をクリアしなければ作動しません。
条件は、以下のとおりになります。

  • 泡が立ちにくい
  • さびができにくい
  • 適当な粘度であるかどうか

以上、3つの特性を持っていなければフォークリフトを動かすことができません。
油圧ポンプは、泡がたくさん発生することもあります。
しかし、泡ができやすくなってしまうと不快音が出てくることもあるので要注意です。
できるだけ泡が立ちにくい作動油を使わなければなりません。
雨の日も、室内でフォークリフトを動かしますが、水滴が作動油を送る際に入る可能性もあります。
水滴が入ると、ピストン運動を繰り返している部分にさびができる危険性もあるのです。
さびが発生すると動きにくくなるでしょう。
また、粘度が高いと作動不良が起き、低すぎても油漏れをすることもあるので注意してくださいね。

1-3.フォークリフトを動かすときの仕組み

フォークリフトを動かすときの仕組みについて説明します。
フォークリフトで荷物を上げる際の仕組みは、油圧ポンプからリフトシリンダーへ流し込むことです。
リフトシンダーに流し込むためには、作動油タンクからセンターバイパスの経路を閉じなければなりません。
逆に、下げるときは、リフトシンダーに流れていた作動油が作動油タンクに戻る仕組みになっているのです。
そして、リフトシリンダーが下がります。細かい仕組みは、油圧装置の種類によって異なるでしょう。
フォークリフトを扱う前に、きちんと仕組みや構成を把握しなければなりません。
きちんと把握しておけば、フォークリフトの異変に気づけるでしょう。

2.油圧装置の長所・短所

2-1.油圧装置の長所は全部で5つ

油圧装置の長所は、どのようなところになるのでしょうか。
フォークリフトを利用する前に、長所についてきちんと知っておいてくださいね。
油圧装置の長所は、全部で5つあります。
5つの長所は以下のとおりです。

  • 配管、作動油の流れを分けることが可能
  • 装置の破壊を防ぐ
  • 力の大きさ、方向、速度が変更できる
  • 小型、単純構造の装置
  • 遠隔操作や無段変速が簡単に変更可能

以上の5つが、油圧装置の長所になっています。
フォークリフトの油圧装置は、装置の破壊を未然に防げるでしょう。
配管や作動油の流れが自由に分けられる点も、大きな長所になっています。
力の大きさや方向転換、速度も変更できるため、遠隔操作が可能なのです。
細かい作業もできるようになるでしょう。

2-2.油圧装置の短所は全部で3つ

油圧装置の長所はたくさんありますが、短所もあるのでしっかり把握しておきましょう。
短所も知っておけば、油圧装置のフォークリフトを効率的に利用できます。
油圧装置の短所は全部で3つです。
以下のようになっているので、ぜひチェックしてくださいね。

  • 配管がややこしい
  • 作動油の温度によって機械効率が左右される
  • 作動油は油漏れやさびに弱い

以上のような点が、油圧装置の短所になっています。
油圧装置は、配管や作動油の流れが自由にできる分、配管がややこしいため面倒です。
フォークリフトの利用に合わせた配管にしなければ、短所が表に出てきてしまうでしょう。
また、作動油の温度によって機械効率が左右される点も、短所になっています。
きちんと適切な作動油にしなければ、フォークリフトに不備が出てくるでしょう。

3.フォークリフト油圧装置の種類

3-1.油圧を利用した装置の種類

フォークリフトの油圧装置には、さまざまな種類があります。
主に、「油圧発生装置」「油圧駆除装置」「油圧制御装置」が挙がるでしょう。
油圧発生装置は、油圧ポンプで作動油をさまざまな部分に流し込みます。
ねじポンプ・歯車ポンプなどがあるでしょう。
油圧駆除装置は、油圧シリンダーと油圧モーターのどちらかになります。
油圧シリンダーには、単動形・複動形・特殊形など、油圧モーターには歯車モーターなどがあるでしょう。
そして、油圧制御装置には、圧力制御弁・流量制御弁・方向制御弁などの種類が挙がっています。
それぞれの種類によって特徴が異なるので、ぜひチェックしてくださいね。

3-2.フォークリフトに備わっている制御装置

最近のフォークリフト油圧装置には、安全性を高めるために制御装置が備わっています。
どのような制御装置があるのでしょうか。
たとえば、マストが前に傾きすぎないように「マスト前傾角度制御」があります。
荷物の落下や荷崩れを防止するための必要不可欠な装置になっているのです。
また、「フォーク自動水平制御」や「キーオフリフトロック」などもあります。
フォーク自動水平制御は、フォークを水平にするための機能です。
そして、キーオフリフトロックは、キーをつけていないときにリフトを下降できなくするための機能になります。
安全に油圧装置で動かすためには、さまざまな制御が活躍するでしょう。

4.まとめ

フォークリフト油圧装置の仕組みや構成、長所・短所、油圧装置の種類について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
フォークリフトを使う人はもちろん、油圧装置について気になっている人は、ぜひチェックしてくださいね。

  • 油圧系統の仕組みを把握する
  • フォークリフトの動きに必要な“作動油”
  • フォークリフトを動かす仕組み
  • 油圧装置の長所は全部で5つ
  • 油圧装置の短所は全部で3つ
  • 油圧を利用した装置の種類
  • フォークリフトに備わっている制御装置

以上のポイントを踏まえ、効率的にフォークリフトを使いましょう。
フォークリフトを長く使い続けるためには、油圧装置の仕組みや構成を知らなければなりません。