リチウムイオン電池の特徴やメリット・デメリットとは?


リチウムイオン電池は、私たちの身の回りにたくさん使われています。
しかし、どのようなものに使われていて、どんな特徴があるのか知らない方も多いでしょう。
そこで、今回はリチウムイオン電池についていろいろとご紹介します。
リチウムイオン電池の特徴は、くりかえし充電ができるということ。
ここまでいうと使われているものに心当たりがある方も多いでしょう。
また、メリットとデメリットを知っていると自然と使い方も分かります。
興味がある方はぜひこの記事を読んでみてください。

  1. リチウムイオン電池とは?
  2. リチウムイオン電池が使われている製品とは?
  3. リチウムイオン電池の種類とは?
  4. リチウムイオン電池のメリット・デメリットとは?
  5. おわりに

1.リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池とはプラス極にリチウム金属酸化物、マイナス極に炭素を使い、電解質を充てんした仕組みになっているなっている電池のことです。
よく似た名前にリチウム電池がありますが、リチウムイオン電池はくりかえし充電して使えるのが特徴。
ですから、「リチウムイオン二次電池」といわれることもあります。
リチウム電池の場合は充電ができず、使い捨ての電池です。
リチウムイオン電池は小さいですがエネルギー密度が高く、容易に高電圧を得ることができます。
ですから、小型の電子機器のバッテリーとして利用されているのです。
また、大きさの割に容量が多く一度充電すれば長時間持ちます。
さらに、同じように充電できるニッケルカドミウム電池と比べると、充電時のメモリー効果がありません。
メモリー効果とは、電池に充電された電気を使いきらないうちに充電をくりかえすと、電池が最大容量をより小さく記憶してしまう効果のことです。
まだガラケーが主流だった時代、充電をくりかえすとバッテリーの持ちが悪くなったと感じたことがある方もいるでしょう。
これは、決して気のせいではなかったのです。

2.リチウムイオン電池が使われている製品とは?

前述したように、リチウムイオン電池は小さくて大容量の電力をたくわえられます。
ですから、携帯電話やノートパソコンのバッテリーとして使われているのです。
今、主流になっているスマートフォンはガラケーの何倍も電力を消費します。
それでも、長時間バッテリーが持つのは、リチウムイオン電池だからです。
このほかにも充電型の電池として販売されてもいます。
電池を使う家電やおもちゃは意外に多く、しかも、頻繁に使うものほど電池切れが早いです。
特に、子どものおもちゃは電池の消耗が激しいものも多いので、リチウムイオン電池を使うとかなりの節約になるでしょう。
また、最近は自宅の屋根を利用して太陽光発電を行っているお宅も増えてきました。
太陽光を利用して発電した電気をたくわえておくのにも、リチウムイオン電池が使われているのです。

3.リチウムイオン電池の種類とは?

この項では、リチウムイオン電池の種類についてご紹介します。
形だけでなく、材質などによっても区別されているのです。

3-1.形状の種類による区分

リチウムイオン電池は円筒型、角型、ラミネート型の3つの種類があるのです。
円筒型は、皆様おなじみの電池の形をしています。
充電できる電池などはこの円筒型になるのです。
最も低コストで作れる形ですが、多数のセルを組み合わせると隙間ができて密度が小さくなります。
外側は、すべて鉄製になっているのです。
角型は文字どおり四角い電池のこと。
携帯電話のバッテリーも角型です。
かつては外側が鉄で作られていましたが、今ではアルミが主流になっています。
この角型は充電をくりかえしていくうちに、厚みが増すという特徴があるのです。
激しいものですと、約1mmは膨らみます。
ですから角型の電池を機械に組み込む際には、膨らむことを考慮して隙間をあけておかなくてはなりません。
ラミネート型は、アルミ製のパッケージの中にセルがはさみこまれるように包まれた形状です。
また、電解質がゲル状のものも製造されています。
このラミネート型も充電をくりかえしていくうちに膨らむのです。

3-2.プラス極に使われている素材の種類による区分

リチウムイオン電池は、プラス極に、コバルト、マンガン、ニッケル、複合材料が使われています。
かつてはコバルトを主体とした金属酸化物が、プラス極に多く使われていました。
しかし、コバルトの価格は高く、価格変動も激しいために今はマンガンとコバルト、マンガンとニッケルといった複合材料が主流になっています。用途によって、プラス極の材料は使い分けられるのですね。

3-3.マイナス極に使われている素材の種類による区分

リチウム電池のマイナス極には、グラファイトとコークスというふたつの材料が使われています。
コークスは燃料としても使われているので、聞いたことがある方も多いでしょう。
今はグラスファイトを使った電池が主流ですが、コークスは放電するときに電圧の変化が大きいため、バッテリーの残量を計測しやすいというメリットがあります。

4.リチウムイオン電池のメリット・デメリットとは?

では最後に、リチウムイオン電池のメリット・デメリットをご紹介します。
これを知っていると、取りあつかい方も分かるでしょう。
ぜひ参考にしてください。

4-1.リチウムイオン電池のメリット

リチウムイオン電池は、前述したように何度もくりかえして充電と放電ができます。
ですから毎日持ち歩く携帯電話やノートパソコンのバッテリーとして最適です。
また、軽くて小さいのに大容量ですから、一度充電すれば長時間持つでしょう。
さらに、形状も豊富ですので、いろいろな電気機器に使えます。

4-2.リチウムイオン電池のデメリット

リチウムイオン電池は、長時間充電を満タンにしたまま放置しておくと劣化します。
意外と知られていませんが、買ったばかりの携帯電話は電池の容量が少ないのはそのためです。
ですから、リチウム電池が使用されているものを長時間使わないときは、半分くらい使った状態で置いておかなくてはなりません。
また、温度変化に弱いのもリチウムイオン電池のデメリットです。
たとえば、空調を切った暑い車内や暖房の効いていない寒い場所にリチウムイオン電池を置いておくと、寿命が短くなるでしょう。
また、携帯電話やノートパソコンはうまく起動しない場合があります。
さらに、ほかの電池に比べると効果ですので、交換や導入にコストがかかるでしょう。
携帯電話やノートパソコンのバッテリーが高いのは、そのためです。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回はリチウムイオン電池のメリット・デメリットや特徴などをご紹介しました。
リチウムイオン電池の充電の仕方についてはいろいろな情報が出回っているため、ご存じの方も多いでしょう。
しかし、温度変化に弱いことはあまり知られていません。
短時間ならば、携帯電話やノートパソコンを車内に置いて出かける方も少なくないでしょう。
しかし、夏の車内は5分程度で気温が急上昇します。
ですから、短時間で不具合が出ることもあるでしょう。
寒いときも同じです。
暖かい屋内から寒い戸外へでると温度変化が急激すぎて、電池の調子がおかしくなることがあるでしょう。
実際、冬は気温がマイナスになるのが当たりまえという北国では、寒さでスマートフォンなどが起動できなくなることがあるのです。
ですから、北国へ旅行に行った場合はスマートフォンを長時間寒い場所に置いておかないように注意しましょう。