フォークリフトの整備やメンテナンス方法とは?点検の頻度はどの位?


フォークリフトは、小型の荷役作業車です。
車体の前に荷物を載せる爪がついているのが特徴で、小回りがきくことから多くの工場や作業場で使われています。
今回は、フォークリフトの整備やメンテナンス方法についてご紹介しましょう。
フォークリフトは荷役作業車の中では最も手軽に取り扱えるものです。
しかし、メンテナンスを怠れば事故が起こりやすくなるばかりでなく寿命も縮んでしまいます。
フォークリフトを使っているという方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. フォークリフトとはどんな車?
  2. フォークリフトの整備の種類とは?
  3. フォークリフトに異常が見つかった場合の対処法
  4. フォークリフトを長持ちさせるためのコツとは?
  5. おわりに

1.フォークリフトとはどんな車?

フォークリフトとは、車体の前面に荷物を上げ下ろしする爪がついた荷役作業車です。
ひとり乗りで、ほかの荷役作業車に比べると小回りがききます。
ですから、屋外だけでなく倉庫内などでも活躍しているのです。
また、ガソリンではなく充電式のバッテリーで動くので、屋内で作業をしていても換気の必要もありません。
また、フォークリフトは短期間で免許を取得できます。
普通自動車免許がなくても、私有地内でしたら運転しても構いません。
ですから、技能講習を受けて合格すれば18歳未満でも運転できます。
そのため、多くの工場で荷役作業車として活躍しているのです。
また、爪を変えれば人を乗せることも可能ですので、高所での作業をする際も使われることがあります。

2.フォークリフトの整備の種類とは?

この項では、フォークリフトの整備の種類をご紹介します。
どんな整備をすれば、フォークリフトを安全に使い続けられるのでしょうか?

2-1.作業開始前点検

毎日フォークリフトを使う前に行う点検です。誰にでもできる点検ですので、フォークリフトの使用者が行うこともできます。
毎日点検するなんてめんどうだ、と思う方もいるかもしれません。
しかし、フォークリフトは数トンの荷物を毎日上げ下ろししています。
ですから、徐々に部品が劣化してある日突然壊れることもあるでしょう。
つまり、毎日の点検が大切。
点検の箇所はたくさんありますが、特に注意しなければならないのが、水漏れや油漏れの有無とタイヤのリムの状態、さらにブレーキの利き具合です。
水漏れと油漏れがあると火災や故障につながります。
また、タイヤの溝に異物が挟まっていたりリムの取り付けボトルがゆるんだりしていると、パンクや転倒の原因になるでしょう。
さらに、警報器、計器、ランプの確認を行います。
異常があった場合はすぐに使用を中止し、メーカーや修理業者に連絡しましょう。
インターネットを検索すると、作業開始前点検の一覧表をアップしてあるサイトがたくさん見つかります。
ダウンロードも行えるので、利用してみてもよいでしょう。

2-2.定期自主点検(月例点検)

こちらも、誰でも行える点検ですが、法律によって実施が義務づけられています。
検査記録は3年の保管が義務づけられており、提出を求められたらすぐに提示しなくてはなりません。
保管を怠っていた場合は、法律によって罰則が科せられます。
点検項目は作業開始前点検よりも項目が多く、異常が見つかった場合は補修・調整・補充・交換を行わなければなりません。
この項目もインターネット上でダウンロードができます。
ぜひ利用してみてください。

2-3.特定自主点検(年次)

1年に一度、資格保有者や専門の業者が行う点検です。
これも、法律によって実施が義務づけられており、怠ると月例点検のように罰則があります。
また、特定自主点検を行っていないフォークリフトが事故を起こせば、使用者は責任を追及されるでしょう。
ようするに、自家用車の車検のようなものと考えておけばよいのです。

3.フォークリフトに異常が見つかった場合の対処法

フォークリフトは、大きく分けて購入とレンタルがあります。
購入したフォークリフトは所有権が使用している会社にあるため、修理費用や検査費用などはすべて自社持ちになるでしょう。
一方レンタルの場合、特定自主点検などはレンタル元がやってくれます。
点検中の代替え機もすぐに用意してくれるでしょう。とても便利ですが、月々のレンタル料をずっと払い続けていると購入した方がお得だった、というケースもあります。
ですから、レンタルか購入かでも、対処法は変わってくるのです。
レンタルの場合はすぐにレンタル元に連絡をしましょう。
故障の種類によっては修理費用がレンタルした方に発生することもあります。
また、経年劣化による故障の場合は、修理料金が発生しないこともあるでしょう。
一方、購入の場合はメーカーに修理してもらうか、自分で探してきた修理業者に修理を依頼するかの2択になります。
このあたりは、自家用車と変わりありません。
メーカーの修理は正規品を使いますから、安心して任せられます。
しかし、その反面費用がかかるでしょう。
業者に任せた場合は費用が安くなります。
その一方で正規品を使っていないこともありますので、不具合がすぐに起こる可能性もあるでしょう。
メリットとデメリットをよく考えて、修理業者を決めてください。
なお、故障したフォークリフトをだましだまし使うことは、事故の原因になります。
絶対にやめましょう。

4.フォークリフトを長持ちさせるためのコツとは?

では、最後にフォークリフトを長持ちさせるコツをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

4-1.積載容量を守る

フォークリフトは、積載容量が決まっています。
ですから、それを超える荷物を積まないように注意しましょう。
また、爪の形に合わない荷物を積むと、事故の原因になります。
フォークリフトの爪は取り外しが可能です。
ですから、いろいろな荷物を積載する場合は、爪も付け替えてください。
また、人が乗るには専用の爪が必要です。
通常の爪の上に乗ってはいけません。

4-2.運転の仕方を守る

急発進や急ブレーキ、また悪路の走行はフォークリフトのタイヤやブレーキをいためます。
フォークリフトは荷役作業車ですが、悪路の走行や乱暴な運転をすれば、より故障しやすくなるでしょう。
フォークリフトを使っている会社の中には、先輩が後輩に運転を教えるだけで運転を任せるところもあります。
会社の敷地内であれば、無免許であっても車は運転できるのです。フォークリフトも例外ではありません。
しかし、安全に作業をするためには、必ずフォークリフトの講習には参加しましょう。
2~3日で取得できますので、手間もかかりません。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回はフォークリフトのメンテナンスや整備の方法や種類をご紹介しました。
フォークリフトは、会社によっては10台以上保有しているところも少なくありません。
ですから、作業開始前点検などは、つい省略しがちになるでしょう。
しかし、毎日の点検が事故を防ぐのです。
フォークリフトの事故はあまりニュースになりませんが、労災の記録などを見てみると、横転事故や荷崩れ事故などが毎年のように発生しています。
どれだけ気をつけても事故は起こるものです。
しかし、毎日5分間点検をするだけでも、防げる事故はあるでしょう。
また、年次点検の後で修理や部品の交換を勧められたら、すぐにしたがってください。
費用はかかりますが、まだ大丈夫と使っていて事故を起こせば大変なことになるでしょう。