バッテリー液の補充方法は? フォークリフト管理者が知るべきポイント


小回りがきいて重い荷物の移動がらくらくできるフォークリフト。
仕事になくてはならないという会社も多いことでしょう。
フォークリフトはバッテリーで動いていますが、これを長持ちさせるためには正しい方法でバッテリー液を補充することが大切です。
そこで今回はフォークリフトのバッテリー液の正しい補充の仕方をご紹介します。
その他にもバッテリーを長持ちさせる方法もご紹介しますので、参考にしてください。
会社でフォークリフトの管理を任されているという方や、フォークリフトのバッテリーを長持ちさせる方法が知りたいという方は必見です。

目次

  1. バッテリー液の正しい補充の方法とは?
  2. バッテリーを長持ちさせるためにはどうしたらいいの?
  3. バッテリーが寿命を迎えたら?

1.フォークリフトのバッテリー液補充方法は?

この項では、バッテリー液の正しい補充方法をご紹介しましょう。
フォークリフトのバッテリーは充電をしながら使うのですが、バッテリー液を正しく補充しないとバッテリーの寿命は縮んだり、バッテリー自体が傷んでしまいます。

1-1.バッテリー液って何?

バッテリー液とは、精製水のことをいいます。
このバッテリー液はフォークリフトを使い続けているうちに蒸発してくるので、定期的に補充が必要です。
特に夏場は気温が高いこともあって蒸発しやすいので気をつけましょう。
もし、バッテリー液を補充せずに充電をするとバッテリーの寿命が短くなったり、最悪の場合バッテリーが壊れてしまうこともあります。

1-2.バッテリー液の補充頻度は?

バッテリー液が少なくなるとフォークリフトによってはランプが点滅したり、「バッテリー液を補充してください」などの警告が出ることもあります。しかし、それが出ない場合でもバッテリー液の水量が低下している場合もありますので、液栓を閉じたままフロート(うき)の位置を確認することです。
液栓を閉じたままでフロートが確認できていれば、バッテリー液の容量は十分です。このフロートが見えなくなったらバッテリー液が不足していますので、補充ランプがついていなくてもバッテリー液を補充しましょう。
だいたい1~2週間に1度が目安です。

1-3.バッテリー液の正しい補充の仕方とは?

バッテリー液は補充する際、精製水の容器をバッテリーよりも高い位置に置いてホースを給水口から深く入れると、サイホンの原理で自然と精製水が中に入っていきます。
この時容量以上に精製水を入れないこと。
漏電の原因になります。
フロートが浮いたのを確認したら、しっかりと栓を閉めましょう。
この時に栓の閉めが甘いとフォークリフトを運転しているときに精製水が漏れやすくなり、同じように漏電の原因になります。
さらに、精製水が外側にこぼれた場合も良くふいておきましょう。
これで精製水の交換は完了です。

2.バッテリーを長持ちさせるためにはどうしたらいいの?

では、精製水の正しい補充意外にバッテリーを長持ちさせる方法はあるのでしょうか?
この項では、フォークリフトのバッテリーを長持ちさせる方法をご紹介していきます。

2-1.バッテリーの寿命はどのくらい?

フォークリフトのバッテリーは、年数ではなく充電した回数で寿命を測ります。
JIS規格によるとだいたい1200~1500回充電すると寿命が来るそうです。
毎日1回充電するとすると、だいたい5年~6年で寿命が来る計算になります。
しかし、バッテリーの間違った充電の仕方をしていると、規定よりもずっと早く寿命が来る可能性もあります。

2-2.バッテリーの充電は残量が3割程度になってから

バッテリーの充電時期に悩んでいる方は多いと思います。
それほど減っていなくても終業後に必ず充電をするという人もあれば、バッテリー残量がぎりぎりになるまで使ってから充電する人もいるでしょう。フォークリフトのバッテリーは、毎日充電する必要もありませんが、あまり残量を減らして充電するのもよくありません。
目安としてはバッテリーの残量が3割になったころに充電するのが望ましいといわれています。
毎日習慣のように充電をしている、という人は一度残量が3割になるまで使ってから充電してみましょう。

2-3.使い終わってすぐに充電をしない

バッテリーの電解液の温度が50度を超えている過充電になります。
フォークリフトを使い終わってすぐに充電すると過充電になりやすくなるので、必ず少し時間を置いて電解液が40度以下になってから充電しましょう。

2-4.バッテリーの表面を清潔に保つ

バッテリーの表面が汚れているとそれを媒介にして自己放電が行われます。
ですからバッテリーの表面はぼろ布等で磨いて清潔さを保っておきましょう。
ほこり以外にも電解液などがこびりついていれば自己放電の原因になります。

2-5.自己流の使い方をしない

フォークリフトを購入する際、必ずバッテリーの使い方の説明書がついてくるはずです。
また、レンタルをした場合でも取扱店の店員が使い方を説明してくれるでしょう。
それに従った正しい使い方をしていれば、バッテリーが急速に劣化することはありません。
しかし、自己流の充電の仕方やバッテリー液の補給の仕方などをすると、寿命が縮まりやすくなるので十分注意してください。

3.バッテリーが寿命を迎えたら?

どんなに丁寧に使っても、フォークリフトのバッテリーはいつか寿命を迎えます。
劣化したバッテリーを無理に使い続けていると、フォークリフト自体が傷みますし、バッテリーから漏電し、事故につながる可能性があります。

  • 充電をしたけれど持ちが悪くなってきた
  • バッテリー本体が発熱するようになった
  • バッテリー液のヘリが異常にに早くなった

という場合は寿命のサインです。
バッテリーを早急に交換しましょう。
バッテリーを交換する場合は、新品を購入する、新品をレンタルする、再生バッテリーを利用するという3種類の方法があります。
フォークリフトのバッテリーは高価で、10万円前後します。
できる限りコストをかけずにバッテリー交換をしたいという場合は再生バッテリーを使用しましょう。
これは、古いバッテリーを再び使えるようにしたバッテリーのことで、いわばバッテリーのリサイクル品です。
しかし、新品と変わらない回数を使えますし、コストは数分の1で済みます。
フォークリフトをたくさん使っているので、バッテリーにそれほどコストをかけられないという企業は、ぜひ再生バッテリーの購入をご検討ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はバッテリー液の正しい補充の仕方やバッテリーを長持ちさせる方法をご紹介しました。
まとめると

  • バッテリー液が低下したまま充電をするとバッテリーが傷む
  • バッテリー溶液は1~2週間に1度目視して補充しよう
  • バッテリー溶液は容量以上にいれすぎない
  • バッテリーは正しい使い方をしよう

ということです。
フォークリフトは便利ですし、会社の私有地で運転する限りは講習を受ければ普通自動車免許も必要ありません。
大きくて重いものを扱っている会社ほど重宝しているでしょう。
しかし、何年もフォークリフトを使っているとつい正しい使い方よりも簡単な方法や便利な方法を使いがちです。
また、「このくらい大丈夫だろう」と無理をすることもあるでしょう。
でも、それがフォークリフトのバッテリーの寿命を縮めてしまうかもしれません。
コストを削減するためにもフォークリフトのバッテリーは正しい方法で給水・充電しましょう。