フォークリフトのバッテリーの寿命はどのくらい?


重い荷物も楽に上げ下ろしできるフォークリフト。
倉庫や敷地内で活躍している会社も多いことでしょう。
フォークリフトはバッテリーで動いていますが、その寿命はどのくらいだと思いますか?
今回は、フォークリフトのバッテリーの耐用年数についてご紹介しましょう。
バッテリーの交換の目安は、どこでわかると思いますか?
また、バッテリー再生についてもご説明しますので、できるだけ費用をかけずにバッテリーを交換したいという方は必見です。

目次

  1. フォークリフトのバッテリーの特徴や寿命とは?
  2. バッテリーに悪影響を与える行為とは?
  3. バッテリーが寿命を迎えたら?
  4. おわりに

1.フォークリフトのバッテリーの特徴や寿命とは?

この項では、フォークリフトのバッテリーの性質や寿命についてご紹介します。
毎日フォークリフトを使用する場合は、寿命はどのくらいなのでしょう?

1-1.バッテリーの性質とは?

フォークリフトのバッテリーは、鉛電池を使用しています。
ここに充電することで電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄え、再び電気エネルギーとして放電してフォークリフトを動かすのです。
フォークリフトのバッテリーは、これを何度も繰り返すことができます。
一般的なバッテリーは2Vのバッテリーセルが12個、もしくは24個連結された24Vと48Vの2種類が主流です。
フォークリフトのバッテリーは決して安くはありません。
しかし、正しい使い方をしてメンテナンスを怠らなければ、長持ちするでしょう。

1-2.バッテリーの寿命とは?

フォークリフトのバッテリーは、年月ではなく充電回数で決まります。
メーカーが公表しているデータによると、充電と放電を1サイクルとして1200~1500サイクルで寿命がくるそうです。
つまり、週5日フォークリフトを使いその度に充電するとしたら、おおよそ5年~6年で寿命がきます。
1500回くらい充電すると、硫酸鉛の結晶が電極版に付着する電極にサルフェーションがおこり、これ以上の充電が不可能になるのです。
しかし、バッテリーのメンテナンスが不十分だと、充電回数が1200回未満でも電極にサルフェーションがおこり、使用不能になるかもしれません。
また、バッテリーの物理的耐久は2000サイクルとも言われています。
つまりバッテリー自体の耐用年数は10年近くあるのですね。

2.バッテリーに悪影響を与える行為とは?

では、バッテリーの寿命を縮める行為とはどんなものでしょうか?
この項では、バッテリーの故障の原因となるものをご紹介します。

2-1.水枯れ

バッテリーの中には、バッテリー液が入っています。
これが枯れた状態でバッテリーを充電すると故障の原因になるのです。
バッテリー液は徐々に蒸発していきますから、1~2週間に1度は必ず点検しましょう。
特に夏場の気温が高い時期は蒸発のスピードも速くなるのです。
フォークリフトに乗っているときにバッテリー液がなくると警告ランプがついたり、メッセージが流れたりします。
運転中にバッテリー液切れが指摘された場合も、すぐに補充しましょう。
しかし、「たくさん入れておけばよい」とばかりにバッテリー液を補充するのは逆効果です。
かならず適量を補充してください。

2-2.過充電

充電時に電解液温度が50℃を超えると、過充電状態になってバッテリーが痛みます。
必ず50℃以下で充電するようにしてください。
充電中に50℃を超えた場合は行ったん充電を中止し、40℃以下になるまで待ってから充電電流を下げて充電を再開しましょう。
その際も温度の上昇には気を配っておいてください。

2-3.過放電

電圧が全容量の20%以下になると、過放電状態になりバッテリーの寿命が縮まります。
バッテリーの充電は電圧が30%~35%のときに行うのが最もよいでしょう。
フォークリフトを使い終わった後は、必ずバッテリー残量を確認する習慣をつけてください。

2-4.バッテリーの表面は清潔に保とう

バッテリーの表面がホコリだらけだと、それを媒介にして自己放電がおこります。
これもバッテリーの寿命を縮める一因です。
バッテリーの表面は常に清潔に保ち、異物がついたらウエスなどでぬぐってください。
屋外で使う場合は砂ぼこりなどにも注意が必要です。

3.バッテリーが寿命を迎えたら?

では、バッテリーが寿命を迎えたらどうすればよいのでしょうか?
この項では、バッテリーの交換方法についてご紹介します。

3-1.新品のバッテリーと交換する

新品のバッテリーと交換すれば、最低でも5年はバッテリーを安心して使い続けられるでしょう。
ですが、新品のバッテリーは大変高価です。
ものによっては100万円近くするものもあるでしょう。
「必要経費だからしょうがない」という方もいるでしょうが、5~6年ごとに100万円近くの出費をフォークリフトの数だけにするのは、かなり大変です。
最近は、海外から安くバッテリーを仕入れて作ったオリジナルのバッテリーを販売する業者もいます。
少しでもバッテリー代を安く済ませたいという方は、このようなバッテリーを使ってみてもよいでしょう。

3-2.新しいフォークリフトをレンタルする

フォークリフトをレンタルして使っているという所は、バッテリー切れに合わせて新しいものと交換することもできます。
しかし、同じ型のフォークリフトでも新しいものは使いにくいという方もいるでしょう。
また、同じ型を借りられずに別の型を借りたら、レンタル料がアップする場合もあります。

3-3.再生バッテリーを使用する

今、フォークリフトを使っている多くの企業が再生バッテリーを使っています。
再生バッテリーとは、電極版に付着した硫酸鉛の結晶を落とすことで、再び充電を可能にしたものです。
「そんなものはすぐにまたダメになるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、再生バッテリーは元のバッテリーの90%までは能力を回復できます。
ですから、寿命をもう2~3年伸ばせるのですね。
しかも、費用は新品バッテリーの3分の1~4分の1程度ですみます。
これならば、たくさんのフォークリフトを使っている会社でも大幅にコストが削減できるでしょう。
バッテリーの再生を請け負ってくれる会社は、たくさんあります。
その値段もまちまちでしょう。
つい値段で決めてしまいがちですが、いい加減な再生をされれば結局は余計な費用がかかります。
アフターフォローがしっかりしていたり、保証をつけられる業者に頼むと安心ですね。
業者によってはバッテリーを再生している間、代替えバッテリーを貸してくれるところもあります。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回はフォークリフトのバッテリーの寿命についてご紹介しました。
まとめると

  • フォークリフトのバッテリーの寿命は充電回数によって決まる
  • 水枯れ・過充電・過放電に気をつける
  • バッテリーに寿命がきたら、再生バッテリーを利用してみよう

ということです。
景気が上向きになってきたとはいえ、まだまだ経費削減に努めている企業も多いでしょう。
再生バッテリーを使えば、今までバッテリー交換に使っていた費用を大幅に削減できるかもしれません。
また、バッテリーを長持ちさせるために、フォークリフトを使用する人全員にバッテリーの取り扱い方をレクチャーしておきましょう。
誰か1人でもいい加減な使い方をしていても、バッテリーの寿命は短くなってしまいます。
また、バッテリーの寿命は使用環境によっても変化するのです。
まだ充電回数が少なくても、1日に何度も充電しなければならなくなったらバッテリーの寿命でしょう。
交換を検討してください。