フォークリフトの点検に関する4項目~メンテナンスはいつするの?~


フォークリフトを扱っている人なら、点検についても知っておかなければなりません。
フォークリフトの定期的な点検は未然に事故を防ぐだけでなく、作業を効率的におこないフォークリフト自体を長持ちさせるうえで大切なことです。

  • フォークリフトはどのくらいのペースでメンテナンスすべきなのか
  • どんな整備方法があるのか分からない
  • もし異常が見つかったらどう対処すべきか

そんな人のために、フォークリフトの点検に関する情報をまとめてみました。

目次

  1. 点検の重要性について
  2. フォークリフトの点検にはどのようなものがあるか
  3. 点検項目について
  4. 異常が見つかった際の対処法
  5. まとめ

1.点検の重要性について

フォークリフトのような作業車両には、法令によって定期点検が義務づけられています。
フォークリフトの使用中に万が一事故が起これば、人的損害だけでなくコスト面での損害もかなり大きなものになるでしょう。
点検をおこなうことでフォークリフトの故障を予防し突発的な修理を防ぐことから、突然の稼働停止やメンテナンス費用の発生、労働災害を抑止できます。
定められた通りに点検をおこなわないと罰金の対象になりますので、必ず定期的な点検を忘れないようにしてください。

2.フォークリフトの点検にはどのようなものがあるか

フォークリフトの点検には年次点検・月次点検・始業前点検の3種類があります。
それぞれの特徴についてご紹介しましょう。

年次点検

フォークリフトの年次点検とは、車でいう車検のようなものです。
労働安全衛生規則によると「1年を超えない期間毎に年1回、有資格者による自主点検」が義務づけられており、これが年次点検にあたります。
年次点検はフォークリフトが安全に作動するためだけでなく「長持ちさせること」にもつながり、これは会社にとって経費削減にも大きく関係してくるでしょう。
年次点検をおこなうのは国家資格を持っている検査者または許可を得た検査担当業者である必要があり、点検が終了すると検査済標章のステッカーが添付されます。
ステッカーには次回の年次点検の実施年月日が記載されていますので、忘れずに確認しておきましょう。

月次点検

フォークリフトは年次点検のほかに「1ヶ月を超えない期間毎に1回、フォークリフトの点検をおこなわなければならない」という決まりがあります。
これが月次点検であり、この点検を怠ると思わぬ事故につながる危険性があるでしょう。
日ごろからこまめに点検をおこない安価な部品を交換しておけば、会社としても大きな出費をおさえられますよね。
月次点検の結果を記載した記録は3年間保存する必要がありますので、忘れないようにしましょう。

始業前点検

年次点検と月次点検以外にも、フォークリフトには始業前点検が義務づけられています。
その名の通り作業開始前におこなう点検のことで、点検時に異常が発見された場合はただちに補修しなければなりません。
フォークリフトには乗用車と違ってさまざまな特性があるので、一日安全に使用できるかどうかを必ず確認してから使用する必要があります。
始業前点検は車両状況を確認するうえで欠かせないものであり、怠ると大きな災害が発生する可能性も否定できません。

3.点検項目について

フォークリフトの点検には具体的にどのような項目があるのかご紹介します。

年次点検の項目

  • 圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無
  • ディファレンシャル、プロペラシャフトその他動力伝達装置の異常の有無
  • タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無
  • かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無
  • 制動能力、ブレーキ、ドラム、ブレーキシューその他制動装置の異常の有無
  • フォーク、マスト、チェーン、チェーンホイールその他荷役装置の異常の有無
  • 油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダ、安全弁その他油圧装置の異常の有無
  • 電圧、電流その他電気系統の異常の有無
  • 車体、ヘッドガード、バックレスト、警報装置、方向指示器、燈火装置および計器の異常の有無

以上がフォークリフトの年次点検に義務づけられている項目です。
年次点検には時間がかかりますので、無料で代車を用意してくれる業者に依頼することをおすすめします。

月次点検の項目

月次点検は年次点検のように国家資格を持っていない人でも点検を実施できます。
点検項目については以下の通りです。

  • 制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無
  • 荷役装置及び油圧装置の異常の有無
  • ヘッドガード及びバックレストの異常の有無

始業前点検の項目

始業前点検では、必ず車体を一周して異常の有無を確認してください。
少しの水もれや油もれでも、放っておけば大きな異常につながります。
油圧配管やホース、シリンダを確認し、水や油がもれた痕がないか目視で確認するようにしましょう。
フォークやバックレスに亀裂や損傷がないかもチェックが必要です。
また、タイヤやレムの異常の有無も確認しましょう。
リム取付ボルトのゆるみはないか、リムの損傷はないか、タイヤの損傷や異物の挟み込みはないかをチェックし、タイヤの空気圧についても調べてください。
その他、ブレーキの効き具合や警報機、計器、ランプの異常の有無を確認し、エンジンを始動して作業レバーを動かし、問題なく作動するかどうか確認しましょう。

4.異常が見つかった際の対処法

点検によってフォークリフトに異常が見つかった際には、早急に修理業者に連絡してください。

  • エンジンが止まってかからなくなった
  • エンジンから黒い煙が出ている
  • ブレーキの効きが悪い
  • タイヤの空気が抜けている
  • リフトチェーンの調子が悪い
  • 電源を入れても動かない
  • 異音や振動が目立つ
  • フォーク部分が上下移動しなくなった
  • パワーがダウンしている

特にこのような異常が見られる際には、そのまま使い続けると大きな事故につながる危険性があります。
部品交換のみで修理可能な場合もありますので、できるだけ早めに相談してみるのがおすすめです。
緊急修理であっても数日かかる場合は代車を用意してくれる業者もありますので、ぜひ相談してみてください。
また「バッテリーが長持ちしない」という時も、早めの相談が大切です。
バッテリーはメンテナンスしないまま使い続けていると劣化が早まりますが、定期的にケアすることで寿命を延ばせます。
新品のバッテリーとの交換にはコストがかかりますので、できるだけ長く有効活用する方法を見つけなければなりません。
業者によってはバッテリーの無料点検をおこなっているところもありますので、ぜひ探してみてください。

5.まとめ

フォークリフトの点検に関する情報をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 点検の重要性について
  • フォークリフトの点検にはどのようなものがあるか
  • 点検項目について
  • 異常が見つかった際の対処法

フォークリフトを扱っている人や扱う予定のある人は、ぜひこの記事を参考にしてフォークリフトの点検方法について知ってください。
安全かつお得にフォークリフトを使用するためには、定期的な点検が必要不可欠です。